ニュースレター 2020.05.01

 約1ヶ月続いた外出禁止令は5月31日まで延期されましたが、規制が少しだけ緩和され4月25日から公園が解放されました。と言っても、あくまでも市民が運動をする為で、ピクニックや日光浴などは禁止されています。開放日の早朝は一定の距離を空けながら、散歩やジョギングをしている人達で賑やかでした。マウイ島付近には毎年11月から5月までの間、アラスカからクジラが子育てにやって来ます。この期間約20~25万人がクジラウォッチングに訪れ、常に30~40隻のボートが出ていますが、今年は人間の見物から解放されて、クジラが浅瀬に来てのんびり子育てをしているのが目撃されています。また先日アメリカ・ラング(肺)協会から発表された空気が綺麗なランキングでは全米でホノルルが1位、マウイ島のワイルク、ラハイナ地区が2位でした。新型コロナの感染が心配される中、ハワイでは外出時のマスクが義務付けられていますが、この綺麗な空気は健康維持に一役買っているようで、最近はコロナ感染者数は1日1桁で抑えられています。

 ハワイ州は観光客に来ないようにと呼び掛けています。ハワイに来た観光客は14日間のホテルでの検疫が義務付けられています。ホテルやレストランや商店は閉鎖されていますので失業率は37%で約221,000人もの失業者がいます。トランプ政権下、アメリカ人は大人1人当たり$1200(高額収入者にはそれよリ少ない額)を、子供には1人当たり$500が救済措置として支払われました。ハワイの人の使い道ですが、49%の人は預金、34%が食費、13%が家のローンの支払いや家賃、2%が車の支払い、2%が教育費に使うとの事です。

 幸い不動産業は重要ビジネスとして認められ、不動産会社及びエージェントは活動が許可されています。現在住宅ローンの金利が下がり、Primary Residence(居住目的)の物件が順調に売買されています。内見は先ずバーチャルで確認してもらいます。又内見時はマスクが必要で、原則3人以内で内見するよう呼び掛けています。不動産の書類の殆どは電子署名で対応できるため、実際に会っての署名は不要です。唯一、権利証だけは公証手続きが必要ですが、アメリカ大使館が公証サービスを行っていないため、公証人役場で公証して頂いています。

 観光客が居ない期間にワイキキの街の改善が行われています。主なプロジェクトはアラワイ運河の灌漑と壁の修理、ワイキキビーチの砂の追加、ロイヤル・ハワイアン・ホテル前の防波堤の修理、カラカウアアベニューとルワースストリートの道路補修、ロイヤル・クヒオ・コンドミニアム裏の公園の造園等です。一日も早く観光客で賑やかなワイキキに戻って欲しいと思います。

 世界中の人が在宅(Stay at Home)でコロナウィルスと戦っている中、“One world together at home”(ワン・ワールド・ツギャザー・アット・ホーム)の募金活動のキャンペーンが行われ、テレビで放映されました。世界中の有名な歌手や俳優、そして大手企業の協賛で約128ミリオンドルの寄付金が集まりました。参加者は普段着で自宅のリビングルームから歌や応援メッセージを送りましたので、とても親近感を感じました。皆が気持ちを一つにしてこの危機を乗り越えて行くという心が満ち溢れた素晴らしい番組でした。

 母の日が近づいた4月末、必要不可欠でない花屋さんはビジネスをしてはいけないという事でしたが、5月1日からお花の配達の許可が下りました。自宅で外出ができない生活をしている母親にお花を届ける事が出来るようになり、市民からは安堵の声が聞こえています。ハワイ語でお年寄りの事をクプナと言います。ハワイに半世紀以上住んでいますが、私はクプナというハワイ語を知りませんでした。クプナという言葉を頻繁に聞く昨今で、コロナ感染予防でお年寄りを援助する取り組みがあちらこちらで行われ、お年寄りはとても大切にされています。皆様も自宅待機で大変な時をお過ごしと思いますが、クプナを大切にしてご家族とお元気でお過ごしください。


                                                                              深山ツヤ子